情報の階層(ヒエラルキー)
デザインは「情報の整理」である
デザインというと、
- 色を決める
- 形を整える
といった作業を思い浮かべがちですが、それよりも前に必ずやるべきことがあります。

「情報を整理すること」
情報は4つの階層で考える
情報の4つの階層とは、「見る人が、どの段階で必要とする情報か」の違いです。
人は
- まず一瞬で判断し
- 気になったら少し見る
- さらに詳しく知りたくなったら読む
この行動の段階に合わせて、情報を分けます。
情報の4つの階層とは、「どこまで見られたときの情報か」を分けたものである。
① 一番伝えたいこと
② 補足情報
③ 説明
④ なくても成立する情報
① 一番伝えたいこと=「0.5秒で伝わらないと終わる情報」
- 見た瞬間に「何の話か」を伝える
これが伝わらないと ② 補足情報も③ 説明も見られない
- 展覧会名
- 商品の一番の強み
- キャッチコピー
「これだけ見て、8割わかる」情報
これが無いと、何の話かわからない?
- YES → ① 一番伝えたいこと
- NO → 次へ
② 補足情報=「ちょっと気になった人が見る情報」
- 興味を広げる
- 行動を後押しする
見なくても ①の意味は伝わる
- 日時・場所
- 値段
- 「新作」「限定」
「あ、行けそう」「買えそう」と思わせる情報
無くても意味は伝わるが、あると便利?
- YES → ② 補足情報
- NO → 次へ
③ 説明=「本気で理解したい人が読む情報」
- 内容を誤解なく伝える
- 納得させる
これを読まないと 中身がわからない、勘違いが起きる
- 展示コンセプト文
- 商品の使い方
- 特徴の詳しい説明
「読む覚悟がある人向け」の情報
これを読まないと、内容を誤解する?
- YES → ③ 説明
- NO → 次へ
④ なくても成立する情報=「作り手の都合の情報」
- 基本的に、ない
よくある中身
- 自慢
- 「一応」入れた文言(前から入れているだけ)
- スペースが空いたからスペースを埋めるために入れた情報
一番最初に削るべき情報
正直、無くても困らない?
- YES → ④ 削る
よくある勘違い
「説明=補足」だと思っている
補足:見なくても意味は伝わるが、あると興味が広がる情報
例)
- 日時・場所
- 値段
- 「新作」「限定」
説明:読まないと、内容を誤解してしまう情報
例)
- 展示内容の説明文
- 商品の使い方
- 特徴の詳しい説明
| 項目 | 補足情報 | 説明 |
| 見なくても意味は伝わる? | ○ | × |
| 情報量 | 少ない | 多い |
| 役割 | 興味を広げる | 理解させる |
ここを混ぜると、長文が一番目立つ事故が起きます。
情報整理の仕方
情報整理とは、次の3つを行う作業です。
- 情報を全部出す
- 仲間ごとに分ける
- 重要な順番を決める
この作業を助けるのが、情報整理のためのフレームワーク(考え方の型)です。
KJ法
KJ法とは、思いついた情報を一度すべて出し、意味の近いもの同士でまとめていく方法です。

向いている場面
- 情報が多くて頭が混乱しているとき
- 何が重要かわからないとき
- テーマがまだはっきりしていないとき
注意点
- きれいにまとめることが目的ではない
- 「なぜ一緒にしたか」を言葉にすることが大事
MECE(ミーシー)
MECEとは、情報を「もれなく」「重ならないように」分ける考え方です
言い換えると、
- 言い忘れがないか(もれ)
- 同じ話を何度もしていないか(重なり)
をチェックするための方法です。
【例題】イベント告知ポスター
❌ ダメな情報整理(MECEでない例)
イベント概要
日時
場所
イベント内容
開催情報
一見、整理されているように見えますが、問題があります。
問題点
- 「イベント概要」と「開催情報」があいまい
- 「日時」「場所」は開催情報の中身
- 情報が重なっている
読む側は「結局どこを見ればいいの?」となる
⭕ MECEになっている整理
いつ(日時)
どこで(場所)
なにをする(内容)
なぜ良いか
- それぞれ役割が違う
- 情報が重ならない
- これを見れば全体がわかる
MECEの考え方を分解する
① モレなく(Missingがない)
見た人が「これ、結局どういうこと?」とならない状態
- この情報だけで行動できる?
- 読み手が困る点はない?
② 重ならない(Overlapしない)
同じ意味の情報を、別の言葉で繰り返していない状態
- これとこれは、同じことを言っていない?
- 片方を消しても意味は通じる?
MECEで整理する具体的な手順
- 文章でも箇条書きでもOK
- まずは整理しない
例)
- 時間の話?
- 場所の話?
- 内容の話?
※視点を変えるのがコツ
- 意味が同じものは1つにする
- 名前をつけ直す
- 見る人が知りたいことは全部あるか?
- 行動できる情報になっているか?
ピラミッド構造
ピラミッド構造とは、一番伝えたいことを一番上に置き、その理由や説明を、下に積み重ねていく考え方です。難しく言えば「結論から話す方法」ですが、もっと簡単に言うと、「何が一番大事かを、最初に決める方法」です。

ピラミッド構造の作り方
まず自分に聞きます。「これを見た人に、何だけ覚えてほしい?」
1文で言えない → まだ整理できていない
- 理由は 2〜3個まで
- 多すぎると、結論が弱くなる
- 似ている理由は1つにまとめる
- MECE(重なり・抜けがないか)を確認
よくある失敗パターン
失敗① 結論があいまい
例)〇〇について考える
→ 何を伝えたいのかわからない
失敗② 理由が多すぎる
5個も6個も理由が並ぶ → どれが大事かわからない
失敗③ 結論が途中で変わる
上と下で言っていることが違う → 信頼されない
5W1H
5W1Hとは、情報を伝えるときに必要な 6つの視点 です。
- When:いつ
- Where:どこで
- Who:だれが
- What:なにを
- Why:なぜ
- How:どうやって
5W1Hは「考えるため」ではなく「確認するため」
ここがとても重要です。
❌ 5W1Hでアイデアを出す
⭕ 5W1Hで 情報がそろっているか確認する
使うタイミングは「後半」がベスト!
【例題】イベント告知ポスター
❌ 5W1Hが足りない例
学生作品の展示会を開催します。
多様な作品が集まります。
ぜひお越しください。
- いつ?
- どこで?
- 誰向け?
ポスターを見た人が、行動できない
⭕ 5W1Hで確認した例
| 項目 | 内容 |
| When | 〇月〇日〜〇月〇日 |
| Where | 〇〇ギャラリー |
| Who | 学生作品 |
| What | アート作品展示 |
| Why | 成果発表として |
| How | 入場無料・自由観覧 |
情報を「増やす」ための道具ではない。
足りているかを確認するための道具である。
